この青空とエイトを守る事が私の使命である。
世のディーゼル車、貨物登録車オーナーの間で必ず話題に上がるのが自動車排出ガス規制、NoX,PM法である。大気汚染防止法に基づき、新車だけでなく現在運行中の自動車まで、排出基準値に満たない車輌は一定の期間が過ぎると対象地域での継続運行が不可能になるというもので、対象となる車種はガソリン、ディーゼル問わず貨物登録車、貨物、乗用登録のディーゼル車。8ナンバー(特殊用途)車も、ディーゼル車、貨物車ベースは規制対象となる。我がジムニーエイトは、4ナンバー貨物登録のガソリン車。つまり、NoX、PM規制対象車である。
PM規制対象地域は、首都圏、愛知・三重圏、大阪・兵庫圏。首都圏においては、ディーゼル車の通行規制まで行うという。私が住んでいる兵庫県では、NoXに関しては地域外� �PM対象地域内である(これポイント)。平成15年に受けた車検時に車検証に追記されている。平成15年9月30日以降の有効期間満了日を超えて使用の本拠を置く事が出来ません。つまり、エイトを降りろということだ。
幸い、我がエイトの有効期限満了は9月11日。つまり、19日差で一年間の延命を遂げた事になる。実に奇跡的だが、今年(平成16年)こそは絶命の危機。陸運支局に日参し、対策を練っていたのだが・・・・・・・
手段1・・・・・乗用登録する(4ナンバーから5ナンバーへ)結果・・撃沈!
エイトはガソリン車であるから、用途が乗用であれば問題ない訳だ。一度目のNoX規制の際には、この用途変更で延命した個体が少なくなかった。また、ディーゼル車であっても、この用途変更により乗用化し、乗り入れ規制にのみ適合させ、指定地域の通行権利だけを得るという方向もある(この場合、使用の本拠がNoX対象地域外である必要がある)。しかしながら、今回の規制から、嫌な噂を耳にするようになった・・・・。
「貨物から乗用への用途変更の基準が厳しくなる」特に驚いたのは、乗用登録車の設定がない貨物車、例えば、バン、ワゴンの設定がカタログ上にあるのであれば良いが、貨� �車のみ、つまり生粋の貨物車は用途変更不可となるという点だ。居ても立ってもいられなくなり、陸運支局へと足を運んだ。そこで浴びせかけた質問は・・・
@「上記のような噂があるが、それは本当なのか」
A「本当だとしたらそれは法で定めるところなのか(保安基準が改正されたのか)」
B「貨物から乗用への用途変更は、現実として可能なのか」の3点。
ファイアストンは、タイヤprpblemで対処方法
これらに対する担当官の返答は・・・
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ごく最近リアデフに不具合が出てホーシングごと交換したのだが、今度はフロントが死亡。必要部品は滋賀のハイロンサム氏(註4)が持参してくれた。純正部品も到着済み。こちらはメンテコーナーに掲載。
2004年8月下旬
●EGR(註5)の配管
註5:EGRとは 排ガス対策の神器のひとつであるEGRとは、なんぞや? 排気ガス中の有害成分はHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)の3種類。3成分のうちHC,COは未燃焼成分ともいわれ、完全燃焼を促進することにより、その排出量を低減することが可能であるが、NOxは高温の燃焼により空気中の窒素が酸化したもので、完全燃焼を促進するほどその排出量が増大するという相反する特性を有するものである。そこでこのNOx排出量を低減するために利用された技術が、混合気に排気ガスを還流するいわゆるEGR(Exhaust Gas Recirculation System)である。EGRとは、燃焼室に混合気、燃焼用空気とともに、不活性ガスであるCO� ��を主成分とする排気ガスを混入することにより、燃焼温度を下げ、その結果NOx排出量の低減するというものらしい。最近のディーゼル車ではEGRクーラーを過給器のインタークーラー間に装着して吸気温度を下げ、NoXを低減させているモデルもある。興味のある機構だが、魅力的なオネダンで入手するのは難しいと思われる。因みにEGRクーラーは水冷である。 |
さて、EGR配管でSJ40にあってエイトに無いもの・・・。それはディストリビューターのバキュームとエアクリーナのバキュームアクチェータと同じくエアクリーナへと繋がるダッシュポットアクチェータ。これらは必要に応じて繋ぎ代えた。ミッション4速スイッチと接続されるバキュームスイッチングバルブは配線して生かしておいた(常時作動)。これでマトモにEGRが作動する(はず)だ・・・。
縮退故障フライホイールを削除する方法
2004年9月初旬
●触媒の取り付け
いよいよこの作業だ。入手した触媒(註6)はエスクード用。ジムニー用としては少々太すぎるのだが、私のエイトはSJ40のフロントパイプをベースに太いパイプを溶接して特製のものを製作してあるのでジムニー用では細すぎる。吟味した結果、エスクード(1996年式TA01)のものに落ち着いた。これをマフラークランプで繋げてしまえば一丁上がり!の予定だったのだが、触媒のパイプの肉厚が思いのほか厚く、元のパイプが刺さらない。こうなったら溶接だ!!!しかし・・・・もうパイプはバラバラに切ってしまったし、現物合わせで鉄工所に持ち込んだところで微妙な角度調節は難しい。� �分でやるしかない!!
早い話が、溶接機を購入した。アマチュアレストアラーや趣味人の間で使い物にならないと悪評高い100V家庭用小型アーク溶接機だ。オネダンは8000円。色々と聞くところによると、「パワー不足」「薄板の溶接に向かない」「アークが安定しない」・・・。マニアはTIGだMIGだバッテリー溶接だ・・と溶接機には大変詳しい。勿論、私にとってはどれも欲しいのだが、アーク機ってそんなにダメなのか?恐らく、やりようによってある程度何とかなるはずだ。否、何とかするしかない!ブツは溶接機を知るものの間では有名なイクラ(育良)製の使用率40%出力40A。果たして使えるのかゴミなのか・??
結果・・・ちゃんと繋げました。美しいビードは形成されていないが、しっかりと溶接で きた。この値段ならばガレージに一台あれば作業の幅が広がるはず。最初はビードをうまく引けず、点付けの連続で接いでいたのだが、なれてくると汚いがビードが引ける。う〜ん。以前からやりたいとは思っていたが、メチャオモロイ!!!余計なものまで溶接してしまいそうだ・・・(本音はガス溶接覚えたいのだが)!!勿論、アークはやや不安定であるが上手く連続させる事も可能だし、溶棒も1.6あたりまでなら、こまめに溶棒を切断してやればなんとかOK。
装着するとこのようになる。フロントパイプはフレームの真横を通過しており、触媒を仮止めすると干渉。フロントパイプの首を延長して下に逃がすかとも思ったが、クロスカントリーヴィークルの腹にモノをぶら下げる訳にはいきますまい。で 、出力の低い脳味噌をフル回転させて考えた結果、斜め45度ツイストさせて溶接。これでギリギリフレームを回避。手前にヘタクソな継ぎ目が見える。装着して後ろ側をつけようとすると・・・合わない!!微妙に角度を間違えた(泣)・・・で、現在リアマフラー作成中・・・。
記号の部品を購入する場所
註6:三元触媒とは ここで何度も出てきている触媒について。自動車愛好家(特に趣味性の高い車輌)の多くは触媒なんぞ排気抵抗に過ぎないと思われている事と思う。いやいや、これがなかなか凄いヤツである。私にはコイツが抵抗だなんて恐れ多くて思えませぬ。触媒とは、有害な気体が無害な気体へと変化するのを促進する非常に重要なデバイスである。して三元触媒とは、NOx,HC及びCOの三種類の有害物質をN2O,H2O及びCO2に酸化還元する触媒のことである。主成分はRd,Rh及びPtなどの貴金属で、理論空燃比(燃料を理論的に完全燃焼できる最小の空気と燃料の重量比)付近で上記3種の有害成分を同時に除去するという、そりゃあもう大変エライ装置。で、その結果排出 されるのがN2Oである。N2Oは毒性がなく吸入麻酔薬にも使われている安全な物質だが、地球温暖化物質のひとつであるとされている。 N2O 1分子は二酸化炭素(CO2) 310分子に相当する温暖化効果があるという。N2Oは化学的に安定なため対流圏内でほとんど消滅せず、成層圏のオゾンと反応して触媒的にオゾンを消滅させる為、排出削減対象ガスに指定されている。現在はN2O分解触媒の開発が全力で進められているらしく、近い将来の市販車にはこれも装着されることになると思われる。 触媒レスの車輌を結構お見受けするが、微量な体感的パワーアップを目的にこれらを取り外す気に、貴方はなりますか? |
2004年9月5日
●駄目ダメ車検対応(インチキ)マフラーの完成
かなりマズいリアマフラー(とてもお見せできませぬ)が完成し、プロペラシャフト交換。ブレーキもエア抜きし、車検準備を整える。触媒を取り付けたにもかかわらず、パワーダウンは感じない。滅茶苦茶なマフラーなのに音は以前よりも静かで、エイトらしい良い音だ・・・。タイヤもノーマル下駄山に交換。色違いのホイールにより一層ボロく見える。
2004年9月7日
●車検証からアノ言葉が消えた日・・・
車検前日。私は朝っぱらから姫路自動車検査登録事務所の前に居た。何をしに来たのか。検査を恐れて陸運支局にスーイサイドアタックを・・・ではなく、記載変更に手間取るはずだと睨み、車検前にこれを済ませておこうと思い参上したのである。
まず、検査ライン横の詰所へ行き、検査官に書類と現車を見ていただく事にした。数値を照らし合わせ、規制値(NOx0.48g/km)よりも数値が下回っている(ガスレポートによると0.153g/kmまで低下)事実を確認していただくわけだ。ここで記載変更にあたって書類を作成してくれた(感謝!)。検査官の方々も、このテの変更に慣れておられないようで� ��私を含めた3人で「あーでもない、こーでもない」とグダグダ言いながら書類完成。「NOx、PM規制対応変更適合車」の記載が眩しい。
さて次は車輌の確認か・・・存分に見てください!この適当に配管されたEGR!ヘタクソな溶接でツギハギだらけの触媒!錆びたボディ・・・変なオーナーを!っと思い痙攣しながら「現車確認」の一言を待つ・・・・が・・・・検査官A「ハイ。では庁舎で記載変更手続きを行ってください」・・・はい?・・・検査官B「別に現車は無くても結構ですよ」・・・マ ジ で す か ! ?・・・検査官AB「マ ジ(笑)」
おとなしく庁舎に向かい、記載変更手続きを行う。一号シートとOCRシートを購入し(35円也)、必要事項を記入。これを受付のお兄さんに手� �し、検査官の人々5人くらいでゴニョゴニョ言いながら数分・・・・「8manoさーん」きた!!「ハイッッッ!!!(訓練兵並みの良き返事だ)」「お疲れ様でした!適合です。」・・・・・・やった・・・・
使用車種規制(NOx・PM)適合。・・・・適合!!!使用の本拠は・・・なんてもう気にならない!!あの忌々しい「この自動車は平成15年9月30日の車検満了を超えて登録、使用することはできません」という破滅的一文が検査証から完全に消えて無くなった・・・・完全に・・・だ・・・。これでまた走れる。私もエイトも・・・。実に呆気なく、時間にして数十分。しかし、ここまで来るのに本当に沢山の励ましや協力を頂いた。励まし、元気付けてくれた多くの方々、部品を無償で提供してくれたハイロン サム氏、資料提供ガラス屋氏、苦労して取得したガスレポートを我侭な内容で譲って頂いた寺川社長。相談に乗って頂いたり、書類作成を手伝って頂いた検査官の皆様・・・こんなところからで大変恐縮ではありますが、ありがとうございました!!これからもボロく貧しく美しく、我8道を猛進す!!
2004年9月8日
●継続検査
NOxの不安が解消されたので継続検査へ。ラインをズンズン通過してゆく。ヘッドライトの光量が怪しかったので全開で光度120。通過。排ガス・・・毎年キャブをいじくりながら通過するところだが、今回は一発通過・・・・オカシイ・・・・。こんなにスンナリいくということは最後に罠が張ってあるに違いない。っと思った矢先、自作車検対応(インチキ)マフラーにケチがついた。もう少し車体後端まで排気管を延ばしてくださいとの事。アイヤー一本とられました〜!オマケに車体番号が見えにくいやら反射器の面積が小さいやら、イロイロと言われてしまった(汗)。今まで大阪で通してきたが、よく言う「大阪の車検はユルい」というの� �本当だ。改善すべく帰宅し、解体屋で買った何かのマフラーを切って溶接。再度検査場に参上し、無事車検継続。これで全部終わったのだ!!これにて作戦終了!!
ようやく一年間に及ぶ戦いが(なんとか)終焉を迎えたことになる。今回、イロイロと調べてみて強く感じたことだが、法規制とは無縁の人々(無縁とは言えないのだが無縁だと思い込んでいる)や、これらの規制に関して近い位置にいるはずの検査官共に、自動車排出ガス規制に関する認識が非常に曖昧である。これから先も自動車を使用してゆく以上、我々は真剣に考えなければならない。これから先、環境的問題により(それは環境汚染だけでなく資源的な事も含めて)化石燃料を燃焼させる内燃機関が消え行く時が来るかもしれない。不可抗力といえど、自� �車文化が歴史から淘汰された時に、悪文化であってはならないのだ。次の規制は一体いつなのだろう・・・・。
-完-
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